親の愛情


(2000/1/20)

まあ父親にせよ母親にせよ、親というものは子供に無償の愛情を注ぐということは間違いない事実なのではあるが、その愛情の大きさは家庭によりかなり違いがあるとここ数年、気付いた。
えてして子供というものは自分の育った家庭での常識となっているものが、全ての家庭に共通し、当たり前のことだと考えがちであるが。

年を重ね、ある程度人と深くつきあうようになると、その人の家庭で受けた愛情が見えてくる。
正直言って少し驚いた。子供というものはこういうふうに愛されているものなのだと知った。2、3年前まではそれを少し馬鹿にし、彼らを”親離れできてない甘ちゃん”だと思い反発していたが、最近それが自分の奥底にある”羨ましいと思う感情”からきていることに気付いた、というかむしろ認めた。
原因は愛情を与える側にもあるのだろう。むしろ、”子離れできていない親をもつ子”という方が正しいのかも知れない。

与えられる愛情の大小に関わらず、子供が求めるものはこの世に生をうけた瞬間はある程度皆同じだと思う。育つ環境のフィードバックなどによりその求める大きさを調節していくのかもしれない。私自身、常に持っているそれへの渇望感、不安感は大人になった今では外に向かっていつももがいている。それはそういうルーツによるものかもなあと、ここんとこ考えている。

私にだって親はいるし、それをこんな風に書くと冷静に物事を考えられない人には、”なんて親不孝な”と映るかもしれない。ここまで育ててくれた両親にもちろん感謝はしているが、私という観点からでなく、”他の何かから見た私”としてそう思うのだ。

とにかく、四年間心理学を学んだ者としても、一個人としても、親の子に対する愛情は子供の精神的なものに多大なる影響を与えるものだと思う。

私はうまく愛せるだろうか?